Pythonで測定装置のcsvファイルをグラフ化するアプリを作る(2. グラフ表示編)
前回からの続きものです.こんなのの作り方を公開していきます. drive.google.com
今回は表中のデータをグラフ化する部分です.
目標
下図の赤枠部分を作成します.
開発環境
前回の通りです.Pythonでpandas
とdash
をインストールして下さい.
アプリ作成
グラフ描画エリアの確保
次のコードを追加してグラフ描画エリアを作成します.
グラフ本体のdbc.Col(dcc.Graph(id='graph'))を2つの
dbc.Col(width=0)`で挟むという一見無意味なレイアウトですがちゃんと理由はあります.
これはグラフをエリアの中央に配置するための苦肉の策です.
dash-bootstrap-componentsのレイアウトの水平配置の説明を見て頂くと察しがつくかもしれませんが,
グリッド配置の位置を明示的に指定せずに水平位置を均等配置するには2つ以上のコンポーネントが必要なようです.このため空要素で挟んで全体を中央揃えにしました.
空要素なしで頑張っても見ましたが,どうにもうまくできませんでした.
graph = [dbc.Row(dbc.Col(html.H5(['Graph']))), dbc.Row( [dbc.Col(width=0), dbc.Col(dcc.Graph(id='graph')), dbc.Col(width=0)], justify='center'# dbc.Rowの中身を中央揃えにする ), ]
できたらcontainer
に追加します.
container = [ dbc.Row( [dbc.Col([], width=3, class_name='bg-secondary', style={'height': '60vh', 'overflow': 'scroll'}, ), dbc.Col( graph, width=9, style={'height': '60vh', 'overflow': 'scroll'}), ], ), dbc.Row( [dbc.Col(table_info, width=8, class_name='bg-info text-black'), dbc.Col(table_detail, width=4, class_name='bg-primary text-black'), ], style={'height': '40vh'}, ), ]
これでグラフの領域が確保できました.
表中のデータのグラフ化
アプリ中の表に出力中のデータをグラフにするために,次のコールバック関数を定義します.
@app.callback( Output('graph', 'figure'), inputs={ # フィルタ中のデータを使用するためにderived_virtual_dataを使用する 'data_info': Input('table_info', 'derived_virtual_data'), 'data_detail': Input('table_detail', 'derived_virtual_data'), }, prevent_initial_call=True, ) def update_graph( data_info, data_detail ): if len(data_info)==0: return go.Figure() df = pd.DataFrame(data_info) if len(data_detail)!=0: df = df.join(pd.DataFrame(data_detail).set_index('Filename'), on='Filename', how='inner' ).reset_index() try: fig = px.scatter(df, x='Date', y='Requiring inpatient care', color='Filename', ) except: fig = go.Figure() return fig
試しに左下の表で三重県の行にチェックを入れ,右下の表でRequiring inpantient care>5000のフィルタをかけるとグラフも変化します.
次回
x, y軸や色分けに使うデータをアプリ上で選択できるようにします.測定装置から出力されるデータをグラフ化したい場合,その軸は決まっていることが多いため正直蛇足なうえに,多分一番面倒です. 投稿しました